バリアフリー化タクシー車両の試作車


日産 セレナ


日産自動車のセレナハイルーフ・両側スライド仕様をベースに改造している。
側面のスライドドアに簡易スロープを乗せて、車いす利用者も側面乗降として いる。
手前の台は歩道の高さだが、直接路面から乗降する場合は、更にスロープを 付け足す。
車内は、セカンドシートの右側とサードシートを残し、定員を6名+車いす利 用者1名とした。車内右側の床を少し下げて、スロープ角度をゆるくしている。
車いす利用者は、左側のスペースに、後ろ向きで乗車するようにしている。固 定はベルト方式で4ヵ所でおこなう。後ろ向き乗車はヨーロッパのバスや、タク シーでは一般的な方法となっている。
スロープの角度をゆるやかにするために、サスペンションも調整して、車高を 下げている。



トヨタ ノア


新型ノア。両側スライドドア仕様をベースに改造している。
車いすの乗降方式は、セレナと共通。
車内は、サードシートのみを残して、フロアーは広い範囲を下げている。
運転席と助手席の背面にジャンプシート(折畳み席)を取り付けて、乗車定員 を7名(車いす利用者乗車時は、定員6名+車いす利用者1名)とした、ロンドン タクシーを意識したデザイン。ただし、ジャンプシートは現状では背もたれがないの で、座りにくい。
実際に車いす利用者と乗車するとこんな感じになる。

国土交通省では、2005年に予定されている交通バリアフリー法の改正時にタクシー車両も対象となることを念頭に「バリアフリー化タクシー車両、運転型福祉車両等の開発及び標準仕様の策定調査委員会(委員長:鎌田実東京大学大学院教授)」を2001年度から初めており、3月にその試作車を公開した。試作車は先進事例の英国:ロンドンタクシーをモデルとして、国産のセレナ(日産自動車)とノア(トヨタ自動車)をベースに改造を行っている。